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自由が欲しかったあの頃が、いちばん自由だった

自由ってなんだろう。

縛られていないこと?

自分がやりたいことをできること?

メンズ校を見る度に思う。最終回を迎えて、また深く考えさせられた。

 

正直、私は自他ともに認める位の超自由な、校則のない高校を卒業しているから、逆に自由って何?という感じ。メンズ校でみんなが校則を破ってまでやりたいことをする、ような自由を求める経験なんてしたことがない。

 

メンズ校のテーマは「自由が欲しかったあの頃が、いちばん自由だった」。

分かるな〜…と思ってしまった。前述の通り私はいわゆる校則では自由な高校出身だけれど、高校生から見た大学生って受験勉強もしなくていいし、バイトだって沢山してお金も(高校生より)沢山持ってて、って本当に自由に見えてた。実際の大学生(高校卒業後)は確かに自由だけど思っていたより単位には厳しいし、理系だからかもしれないけれど思っていたより勉強する事が多いし、お酒が飲めるようになったりで今まで親に守られていた部分が無くなって自分の責任が常に付きまとう。大学生になってからは自由が欲しいって思うことは無くなった。

自分の責任が常に付きまとう、つまり知らず知らずのうちにやっていい事と悪い事なやらなくちゃいけないこととしなくてもいい事で心が縛られている、ということはある意味不自由だと思う。狭い世界しか知らないのは不自由になりうるし、狭い世界しか知らないからこそ広い世界(≒自由)を見たいと自由を求めてしまうんだと思う。広い世界を知ってそこで1人で行動するようになる大学生以降は自分の責任が付きまとうし、分別がちゃんとついて無茶をしなくなってしまうからある意味不自由なんだ、きっと。

 

 

メンズ校では、自由を求めてもがく様子が何度も描かれている。自由が欲しい、自由になりたい、その思いから無茶をする事が多々ある。学校を抜け出してみたり無理な嘘をついたり…。

少しずつ自由、特にドラマ内では自分の気持ちに素直になれること、を手に入れる姿を見て、自由ってただ何も縛りがないって事じゃなくて自分の考えを持ててそれを何らかの形で表現出来ることではないかな、と思った。桃井がゴンじゃなくて自分になりたいってハンググライダーに書いたことも、花井がフリフリがついた服とか可愛いものが好きって言えるようになったことも、神木がお姉ちゃんの結婚を祝うことにしたことも、源田が彼女のことを守ろうとしたことも、藤木が勇気をだして鷹野エリカに告白したことも、野上がフクに素直になれることも、牧が自分は他の人と違うって思いすぎないで他人を頼れるようになったことも。全部、全部。

現にセリフでも「心が自由である限り、俺たちはいつだって自由だ。」という言葉がある。心が自由、つまりちゃんと自分の考えを持てるということかなと思う。

 

そして、メンズ校には自由だけじゃなくて仲間との絆も描かれていて『「自由」を求めてもがいたりしたけど「不自由」を楽しむ仲間がいれば大丈夫だ』というセリフがある。

不自由を一緒に楽しめる仲間がいたら自由を求めてもがく必要は無い。自由を求めるのは間違ってないけれど、その自由を求めすぎて空回りしてしまうぐらいなら不自由を楽しめる仲間を作ればいい。不自由を楽しめる仲間がいるってことは自由を求める必要が絶対にある訳じゃない、でもそれこそが自由なんじゃないかな。自由が欲しいともがく日々の中だけど不自由は楽しめる、それってとても幸せな事だしある意味自由だと思う。上手く言葉に出来ないけど。

 

なにわ男子のひと夏の青春は私に自由について考えさせてくれた。

『自由が欲しかったあの頃が、いちばん自由だった』きっと最終回の時点では、藤木先輩しか気付いてないと思う。いや、もしかしたらアルカトラズ楽園計画が成功してるから6人が3年生になった時には全員気付いてるかもしれない。だけどやっぱり、自由が欲しかったあの頃、つまり6人が1年生で藤木先輩が3年生の頃は自分達が実は自由の中にいるって気づいてなかったと思う。自由って、その時には自分では分からないものなんだよ、きっと。